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Doer(一日一食でミニマリストで原始仏教徒)

Knowing is not enough; we must apply. Willing is not enough; we must do.

ミニマリズム基礎理論 Part2

ミニマリズム

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※小難しくてごめんなさい

それぞれの『必要最小限』

言うまでもないことですが、『必要最小限』の基準は人によって異なります。

例えば、自分に化粧品は必要ありませんが、ほとんどの女性には必要です。

自分に杖は必要ありませんが、足腰の弱った老人には必要です。

自分に車は必要ありませんが、辺鄙な田舎に住む人には必要です。

そういった各々が持つ『属性』、すなわち『性別』『年齢』『住所』『職業』『趣味』等の条件により、人の数だけ『必要最低限』が存在します。

そしてこの考え方を突き詰めると、ミニマリストが必ずしもシンプルな生活を送っているとは限らない、ミニマリスト』=『シンプルライフ』とは限らない、という結論に至ります。

例えば極限まで体が不自由な人を想像してみてください。 

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その人は腕も足もないので、義手や義足や車椅子が必要です。

目が見えないので杖や盲導犬やサングラスが必要です。

耳が聞こえないので補聴器が必要です。

喋れないので意思疎通にタッチパネルが必要です。

そして何より周囲の理解とサポートが必要です。

このような悪条件が重なると必要なものはどうしても増えてしまい、普通の人からすると非常に多くのものを所持しているように映ります。

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ですがそれ以外に余計なものを持たず、必要最小限のアイテムだけで効率よく生きているなら、どれだけ身辺がゴチャゴチャしていようと『ミニマリスト』なのです。必要なものを持つ分には全く問題ありません。

 巷での『ミニマリスト』のイメージは、『シンプリスト』より更にアイテムを少なくした『上位互換』と思われている節がありますが、自分の見解は異なり、『極限民のミニマリストもいるし、シンプリストのミニマリストもいるし、果てはゴミ屋敷住人のミニマリストもいるかも』と考えます。

つまり『アイテム量の大小でミニマリストを定義することは出来ない』ということです。極論を言えば、ゴミ屋敷のゴミ一つ捨てただけでも落ち着かない、ゴミに満たされた状態が一番能力を発揮できる、という人だっているかもしれません。

もちろん傾向としては、ミニマリストにはアイテムの少ない人が圧倒的に多いでしょうが、最終的にミニマリストを定義付けるのは『必要最小限で暮らしているかどうか』という一文のみだと考えます。

『必要最小限』の条件

 ではその事を踏まえた上で、更に『必要最小限とは何か?』を突っ込んで考えてみます。

結論から言ってしまえば『その人にとって最もパフォーマンスの高い状態』=『必要最小限』です。

しかし『この状態がそうだ』という明確な答えは存在せず、各種要因の組み合わせにより変動します。要因となるものは主に以下の3つ。

1.(アイテム数の)少なさ

2.(アイテムの)実用性の高さ

3.(アイテムの)コストの低さ

その人の有するアイテムがこれら条件を満たせば満たすほど、パフォーマンスは上昇しますが、先述したように人の数だけ『必要最小限』が存在しますので、123のどれを優先すればパフォーマンスが最大化されるかは、その人の属性によるとしか言えません。

とにかくアイテム数を減らすことに快感を覚える人もいるでしょうし、質を重視する人もいます。自分のような低所得者はしばしばコストパフォーマンスを優先します。

必要なものだけに絞る

ですがこれらの中でも、まずはアイテム数を少なくするよう努めるのが鉄板です。

正確には、明らかに何の役にも立っていないゴミアイテムを捨てるところから始めます。ゴミがなくなって必要なものだけが残れば、とりあえずは『必要最小限』を仮達成したと言えます。

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(ゴミを捨て、必要なものだけに絞る過程では、【X:アイテム数,Y:パフォーマンス】の座標がグラフ内を移動します)

ブラッシュアップ

ですが本番はここからです。

ゴミを捨て、必要なものだけに絞ったとしても、それら残ったアイテムを更にブラッシュアップすることで、より高いパフォーマンスを実現することができます。

具体的には先に提示した123の条件のうち、いずれかの方向性を突き詰めることです。例えば――

少なさ

・『A』と『B』というアイテムがあったら、それら両方の機能を兼ね備えた『AB』というアイテムに乗り換え、数を減らす。

『A』というアイテムがあったら、それがなくても困らない体質に訓練する。

実用性

・『A』というアイテムがあったら、上位互換である『A+』に乗り換える。

コスト

『A』というアイテムがあったら、更に安い『C』に乗り換える。

『A』というアイテムがあったら、それがなくても困らない体質に訓練する。

 

今日のミニマリズムでは専らアイテム数を減らすことに重点が置かれますが。それ以外にコスト面や実用面で考えることも重要であり、それらを無視していくらアイテム数だけを減らしても、かえってストレスが増大し、パフォーマンスが下がることも考え得るのです。

ケーススタディ十徳ナイフ

分かりやすいように、『モノ』を例に考えてみましょう。

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『十徳ナイフ』と呼ばれるツールがあり、ナイフ、缶切り、栓抜きなど、様々な道具をコンパクトに一つにまとめています。

『少なさ』という観点から見れば非常に優れており、いかにもミニマリスト向けといった感じです。

ですがもし、使用者が飲食店の関係者だったとしたらどうでしょう?

プロの料理人であれば、わざわざ十徳ナイフで料理をしようとは思わないでしょう。専用のきちんとした包丁を使うはずです。もしくはソムリエが十徳ナイフでワインの栓を開けるでしょうか? 調理の手間が増えたり、客に不信感を与えるといったデメリットが生じるかもしれません。

こういった場合、十徳ナイフは『少なさ』においては優れていても、『実用性』においては低く評価されるのです。

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グラフは『少なくなったメリットより、料理のしにくさや信用を失うなどのデメリットが上回った場合』を表しています。

(ゴミを捨て、必要なものだけが残った状態から更にブラッシュアップする場合、座標がグラフ内を移動するのではなく、グラフの頂点の位置自体が移動します)

これがアウトドアや日常生活での調理なら問題なく、少なさのメリットが実用性のデメリットを上回ることも十分に考えられます。

ですが飲食店の例の場合はアイテム数を減らすことに固執すると、かえってパフォーマンスを減少させることになりかねません。素直にそれぞれ専用の道具を用意し、実用性を重視すべきでしょうから、アイテム数の多い『X個』の状態が『必要最小限』ということになります。

 もしくは発想を変えて「プロの調理器具並に使いやすく、見た目も美しい十徳ナイフを使ってはどうか?」と考えたとしましょう。 それならば理論上は『少なさ』『実用性』、共に満たせていることになりますね。

 ですがこの場合は『コスト面』での問題が生じやすいです。

十徳ナイフでありながらそこまでの高性能となると、専用の道具を一つずつ揃えるよりもお金がかかるでしょう。性能を保ちつつコンパクト化しなくてはいけないわけですから。

そしてコストが増えれば、いくら『少なさ』『実用性』が優れていても、結局パフォーマンスは低下します。

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つまり話をまとめますと、一口にミニマリズムと言っても『ただ少なくすれば良いというわけではなく、あくまで最終的にもたらされるパフォーマンスで評価する必要がある』ということです。

(まぁ普通のミニマリストなら、十徳ナイフで十分な気はしますけどね)

 

Part3に続く

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